対策書の書き方(他ロット、他製品への波及性)
⑬ 他ロット、他製品への波及性
いわゆる対象範囲です。
もちろん、「他ロットへの波及は無い」と言い切る事が一番です。
が、「波及性はありません。」と言い切ってから他製品等で発生した時には言い訳が更に難しくなります。
自信が無い場合は、言い切る事は賭けになります。
もし他ロット、他製品で発生した時の言い訳は考えておきましょう。
■ 発生原因との絡み
発生原因をどの様に持っていくかも、他ロット、他製品への波及性を考慮した内容にしなければなりません。
波及性が無いと宣言し、その方向性で発生原因でまとめた後他ロットで発生したとなると、原因調査不十分!と更に客の怒りが増すばかりです。
また、報告書自体の信頼性も無くなり、再調査という事もありえます。
それとなく、客の在庫がいくつあり、いつの納品分まで使用済みで、どの分まで安全と言えるかを探りましょう。
社内のキープサンプルや、過去の不良品在庫を選別して発生率を把握する事も、波及性判断の参考になります。
数ロットにまたがる事が明確であれば、対象範囲は「ロット番号**~**が対象です。」または、「XX月OO日~YY月WW日出荷分が対象です。」と明記します。
その絞り込んだ裏付けも問われるかもしれませんので、把握しておきましょう。
例、
・作業者の指示書理解不足が原因で、その作業者がどのロットを作業したのか。
・設備異常が原因で、その記録が**月XX日のチェックシートに残っており、その日の生産ロットはAA~CC。
・ロット単位で発生する現象で、キープサンプル確認結果より***のロットに確認された。
など。
■ 慢性的に発生している不良の場合は?
社内で慢性的に発生している不良の場合はどうすればよいのでしょうか?
客先で他に発生している様子が無ければ「波及性無し」と言います。
客とのやり取りの中でそれとなく「これまで発生無かったですか?」とか、「あれ(クレーム時)以降は大丈夫ですか?」と聞き出します。
「大丈夫ですか?」の意味は、「これ以上迷惑を掛けていたら申し訳ないので様子を聞きたいのですが・・・。」と言うニュアンスで・・・。
で、万が一数日後に発生してしまったら、謝るのみです。
「波及性が無いと言ったのは、社内不良率はOO%で極僅かな上、外観検査でも検出できており、御社への流出もこれまで無かった事から、弊社で検出できていると判断しておりました。」
とでも言っておきましょう。
「他ロットへの波及性あり」と言っても、「他ロットへの波及性無し」と言っても、どちらにせよ2回目流出したら怒られます。
客先で他ロットで発生していなさそうなら、「波及なし」と言っておき、万が一他ロットから見つかったらどう言い訳するかを考えておいた方が良いと考えます。
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2019/02/06