対策を定着させる時に重要な心構え
不良対策で作業改善をしたとします。
最初数日は改善された作業が守られているか、不良を抑えなければいけないという危機感もあり、頻繁に現場へ足を運ぶでしょう。
しかし、いつの間にか足が遠のき、そしていつの間にか作業も元通り・・・。
そして同じ不良を繰り返す。
同じ不良が再発してからやっと現場へ出向くと、改善したはずの作業方法が元に戻っている。
なんて、よくある話ではありませんか?
「普通」になるまで時間がかかる
当たり前かもしれませんが、何事も定着するまでに時間が掛かります。
定着と言うのは、それ自体が普通になる事です。
例えばですが、加工前に製品のチェックをするという手順を追加したとします。
最初は反対意見が出るでしょう。
「時間が掛かる。」
「作業が複雑になる。」
でも、それを押し切って定着させて当たり前の状態になれば、逆にやらないと不安になります。
最初はあれだけ反対していたのにです。
その状態になるまで持って行くには、この下に書き綴る様な試練を乗り越える必要があるのです。
落ち着いたと感じたときが一番危ないよ!
「はー、やっと客の問合せも減ってきて、バタバタが解消された。」
「改善した新しい作業も定着してきたみたいだし。」
「少し落ち着いたな。」
「あーよかったよかった・・・。」
「あーよかった」ではありません!(怒)
少し落ち着いたな。
そう感じたら危ない兆候です!
あなたが落ち着いたと感じて一息ついた時、製造の人も同じ事を感じ始めています。
ヤマ場を越えると、気が抜けてしまうのです。
気が抜けてしまったら何が起こるかはわかりますよね?
緊張感を持ってやらないと、作業ミスをして不良が発生する可能性が高くなるのです。
私もそんな事を何度も繰り返してきました。
どうしても落ち着いてくると、ヤマを越えたと思ってふっと一息ついてしまうんですよね。
そのタイミングって、ちょうど作業者も改善後の作業になれた頃。
品管としては定着したと思って、チェックも緩くなる頃です。
そして慣れた頃に起こるのは、作業のミスです。
やっと少し落ち着いた。
そう思ったときは、自分の兜の緒を締めなおしましょう。
それまで以上に、現場を確認し作業に間違いはないか、新しい作業者や他部署からの応援者がやっていないか、しっかりと確認するようにしましょう。
定着に1~2週間、それからは・・・?
この品管と製造の気が抜けるタイミングは、対策をしてから1~2週間程です。
根拠はありませんが、経験からです。
もしかしたら別のトラブルで忙しいかもしれませんが、クレームを出したらもっと忙しくなります。
現場のチェックは10分あれば十分じゃないでしょうか?
「ここが大事!」
と自覚して重い腰を上げ、時間を割いて現場へ向かいましょう。
品管の人も製造の責任者も、ラインの担当とは信頼関係を築きながらも、疑って掛かるようにしてください。
「ルールを守る気がないんだろ?」
って疑うのではなくて、
「人間だから漏れや間違いが出るはずだって。」
って感じで。
その考え方に基づけば、改善策が定着してもなお安心できる時間など無いはずですね。
喉元を過ぎても暑さを忘れない様に・・・。
案外クレームを減らすのは、あなたの心掛け次第かもしれません 。