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管理幅の考え方

2019/02/19

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例えば水温や濃度などを管理する工程の場合には、外れる前に確認をして「外れない様に」維持する事が必要です。

この記事では、当たり前の事を書いているかもしれません。

でも、

「管理幅って大事だな。」

って感じる事ができると思いますので、是非ご一読ください。

まず、量産の持つ意味

管理幅の話なのに、なぜ量産の話?

って疑問は置いといてください。

量産とは、読んで字の如く「大量に生産」するという事です。

一つ一つを職人さんが作る時には、納得のいかない品質で仕上がれば捨ててしまい、納得いく製品だけを作る事も可能です。

その様にしてできた物には品質のばらつきも無く、仕上がりも素晴らしい物に仕上がるはずです。

しかし、量を求める事はできません。

量産とは、量をこなす為に品質にある程度の幅を持たせ、その幅に収まる製品を作ろうと言う概念です。

その品質の幅が、いわゆる「規格」や「公差」と言うものです。

品質の幅と条件の幅

その指定された品質の幅内に収める為に、生産時に指定するのが「加工条件」です。

条件の幅は品質の幅とイコールと考える事ができます。

ここを理解していないと、生産時に条件が外れていても問題視しないと言う事になります。

加工する為の条件である為、その結果である品質とは因果関係があるのです。

薬品管理で例えると

例えば酸性の薬品を使用して、金属を溶かす場合を考えます。

薬品は濃度と温度等の管理項目があります。

例えばその濃度が管理上限であるとき、金属の溶解量が規格上限になる。

逆に濃度が管理下限の時、金属の溶解量も少なくなり規格下限となる。

温度についても然りです。

この場合は、温度と濃度両方が管理上限にて推移していても、金属溶解量が規格内となる値で管理幅を設定しなければなりません。

「原因⇒結果」に基づく管理幅

自社で設定した管理幅を無視して生産しているケースがあれば、

「条件が外れれば、仕上がりの品質も外れる。」

この基本的な考え方を説明して、条件を管理幅に入れて生産するように説得しましょう。

それでも、管理幅を外れた条件で生産を続けてしまう事もあります。

管理幅から外れても不良は出ない?

管理幅を外れた状態で生産を続けている場合、もしたら管理幅を外れて生産しても不良が出ないかもしれません。

だから、生産条件が管理幅を外れても問題視せず生産を続けているのかもしれません。

しかし、そもそも管理幅を決める時には様々な要因を考慮して設定している為、今不良が出ていなくても、それは「偶然」と考えるべきです。

前の記事でも書きましたが、「事実」として不良が発生していないかもしれませんが、大切なのは”条件が管理幅から外れたら品質も規格から外れる”と言う「考え方」です。

品質を安定させたいのであれば、正しい「考え方」に基づき行動しましょう。

過剰設定の場合は要注意!

生産条件が管理幅を外れても不良が出ない時、必要以上に管理幅を狭く設定しているかもしれません。

よくわかっていない人が管理幅を設定すると、そうなる事があります。

でも、それはただの過剰品質です。

管理幅を狭く設定し過ぎていると設備能力が追いつかず、頻繁に管理幅を外れてる事があります。

その場合は、作業者としては「調整しきれない。どうにもならん。」って事で管理外れで生産する事が日常化してしまいます。

その状態が続くと、「ルールを守る必要が無い」って誤った認識となり、別の作業においてもルールを守らなくなってしまいます。

もし管理幅が必要以上に根拠もなく狭い設定であった場合、適切な管理幅になる様に見直しをしましょう。

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