従業員教育の肝~教えたのにできないワケ
2019/02/18
考えてみれば不思議なもので、知識が有るだけでは実践で使えないんですね。
でも、現場の教育を通した改善に直結する問題で、「当たり前だろ。」で済まされるものではないんです。
会社で行う教育は学校と違って知識があればいい訳でなく、身に付けてアウトプットする事が目的です。
今日はこの件について考察してみます。
知識だけでは何故ダメか
以前節電を呼びかけるテレビCMで
「知っているけど、していない。」
と言うのがありました。
節電が大切でこまめに電気を消す必要があるのは皆知っている。
でも、実際にこまめに電気を消していない。
という内容でした。
会社の教育で得る知識って行動に移して初めて意味を持つものであって、知識として脳みそに蓄えられているだけであれば何も意味を成しません。
人は脳みそだけで存在している訳でなく、体があり手と足があり、脳みそからの指令で動かしながら生活しています。
脳みそから手足への指令がスムーズにいくまでは、知識が「身に付いた」とは言えません。
知識を増やす事はコレクションを増やす事
知識を増やす事は、例えて言うならばコレクションを増やす様なものです。
趣味にハマっている人は、例えばミニカーを大量に集めたり、骨董品を部屋に入りきらないくらい集めたり。
でも、そんなもの持っていても使う事もしない。
自己満足で他人に自慢するくらいしか意味を成しません。
知識も同じで、沢山あれば他人に自慢できますが、使わなければ自己満足や自慢話で終わってしまいます。
実践で知識を得るか、知識を得てから実践するか
知識を増やす事を否定的に述べていますが、勘違いしてほしくないのは、知識がなければ行動にすら移れない事です。
「知らない事はできない」
当たり前ですね。
最初に出した節電のテレビCMでも同じです。
「知っていなければ、していなくて当然。」
節電が大切だという事を知らなければ、こまめに電気を消す訳もありません。
「俺の背中を見て勉強しろ!」
何て人の下で働く場合は、経験から知識を積み重ねてゆく事になると思いますが、非効率ですね。
体系的に先人たちの過去の経験をまとめた資料に基づき教育し、それを行動に移しながら身に付ける。
この流れが身に付ける為の教育としては重要だと思います。
どうやって教育してゆくか
ここまで読んで頂きありがとうございました
やっとこさ、「じゃあどうすればいいのか」と言う段階まで来ました。
例えば製造現場にて何かトラブルが発生し教育をします。
この場合は、
「何をしてはいけないか。」
「何故問題が起こったか。」
「その問題に自分たちがどう絡んでいるのか。」
まず頭で理解させる事が大切です。
新人教育でも同じ事ですね。
先ずは頭で理解させる事です。
ただ、理解しただけでは脳みそは確実に手足に指令を出す事ができません。
だから、教育で一番大切なのは教えた後です。
口頭で説明して終わりではありません。
ちゃんとできているかを張り付いて確認します。
最初はゆっくり意識してやる為、教えた通りできると思います。
そこで勘違いして、「もう理解した。できる様になった。」って考えてはいけません。
忙しさから、ここを省いてしまう人が多いのですが、続けていくうちに絶対何かが抜けます。
若しくは、理解が異なっているかもしれません。
その間違いを指摘し意識しながら作業を行わせる事で、経験の蓄積となり知識が身に付いてゆくのです。
一番大切なのは、教えた後にどれだけ張り付く事ができるか。
そこに尽きます。
クレームを減らすのは心掛け次第?
教育をした。
少し確認して、理解して作業できていると判断した。
でも実際は身に付いておらず、作業ミスが発生して客からクレームが来た。
そのクレームの対応に、どれだけ時間が必要になりますか?
選別したり、対策書を作成したり、説明に行ったり。
どれだけ早く対処しても、1日や2日は取られます。
その1日や2日を、教育後の確認に時間を割いていればクレームは来なかったのかもしれません。
問題が発生した後に時間を割くか、問題が発生する前に時間を割くか。
案外クレームを減らすのは、あなたの心掛け次第かもしれません。