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やる事ちゃんとやろうよ!品質安定化に向けて

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品質が安定せずに、社内や客で品質トラブルが立て続けに起こっている会社は多いと思います。

当然品質管理部署の人は、

「何でこんな立て続けにトラブルが発生するんだろ?」

「うちの製造のどこに問題があるんだろう?」

と分析を始めると思います。

でも、そんな事よりもまずは

やらなきゃいけない事をちゃんとやる。

全てはそこから始まります。

やらなきゃいけない事とは?

やらなきゃいけない事って色々とありますが、製造で言えば作業標準や作業手順を守る事です。

製造課長や経営者の品質に関する意識が低いと、

「作業標準書や作業手順書なんてISOの為に作ってあるだけで、守らんでもいい。」

「不良が発生するとチェックシートの項目がまた増える。あれ、チェック書いてるだけだから、全然意味ないんだよな。」

なんて考えてる人もいます。

その考えこそが作業のミスを誘発し、異常の発生する原因になるのです。

先ずは、

「正しい手順で作業すれば正しい品質が出来上がり、間違った手順で作業すれば、間違った品質が出来上がる。」

この製造の大前提となる「考え方」を肯定的に理解し、作業標準や作業手順の大切さを理解する事が必要です。

 

多少間違った作業をしても直ちに不良が発生する訳じゃない。

 

作業標準や作業手順が軽視されてしまうのは、この「事実」があるからでしょう。

しかし、品質が安定しないと嘆いているのであれば、その「事実」よりも「考え方」に重点を置き活動する事が本当に重要です。

作業手順だけじゃない「やらなきゃいけない事」

品質を安定させる為に「やらなきゃいけない事」は、作業手順を守る事だけではありません。

設計標準や過去トラの設計への展開など設計に絡む決まり事、外注や内職等が管理された状態で運用されている事も品質の安定には重要です。

こんな事は今更ここで説明する必要も無い気もしますが、全ての部署が品質に関わっており、その品質がベースになって会社の活動があります。

それを明確にする為にも、会社として「品質第一主義」を掲げる事は重要だと思います。

品質部署はどう絡むか

ここまで説明した内容は、製造部署、設計部署など品質部署ではありません。

当然まずここがちゃんとしてもらわないと、ちゃんとした品質に仕上がるわけありません。

品質管理をするのは品管の責任だろ!

なんて暴言を吐く製造責任者も見かけますが、それはどうでしょうか?

作業をしているのは製造課所属の作業者です。

組織として品質部署が余計な指示をしてはいけません。

という事は、ちゃんとルールを守って作業をさせるのは製造部署の責任で行う必要があります。

設計部署などでも同じです。

ちゃんと手順通り、標準通りに設計を行わせるのは設計部門の責任者が指示監督をする話です。

 

ただ、品質部署としては、

「お前らの責任だから、お前らでちゃんと管理しろよ。」

と文句言っていても始まりません。

彼らがちゃんとやってくれない時に、被害を被るのは品質部署です。

だから、ちゃんとやっているかのチェックをする。

いわゆる工程パトロールとでも言えばよいのでしょうか?

チェックする内容

現場のパトロールでは、当然手順が守られているかの確認をします。

特に不良対策として実施した内容があれば、その内容をじっくりチェックします。

手順が守られていなければその場で注意するとともに、上司へ報告も必要です。

何故手順を守っていなかったのかも聞いたらいいかもしれません。

・指導を受けていなかった。

・指導されたけど忘れていた。

・どの様な指導だか曖昧だった。

・十分理解していなかった。

・やり辛い手順だった。

・別の作業者から入れ知恵された。

・・・

色んな理由があると思いますので、原因を取り除きちゃんと手順を守れるようにおぜん立てする事も必要です。

 

また、いつもの作業者と違う人がやっていないかも重要です。

違う人の場合は作業が不慣れで間違える可能性もありますし、作業方法や過去のトラブルについての理解不足や指導不足から、手順を守らない可能性もあります。

そんな場合は、時間を掛けて作業方法を確認する必要があると思います。

残業時や休日出勤時、忙しい時期などは、製造の人は平気で他部署から応援を突っ込みます。

教育と言うよりも、やり方を簡単に説明しただけで。

新人でも適当に教えて、ろくにフォロアップもしていなかったりします。

製品の取り扱いから理解していないかもしれません。

新人や応援の作業者は特に時間を掛けて確認するようにしましょう。

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その他の確認内容は、作業記録がきちんとつけられているかです。

記録には、「品質記録」と「出来高記録」があります。

作業者はたまに品質記録と出来高記録を混乱しがちですが、品質部署がチェックするのは品質記録です。

記録だけでなく、記録をする際にしっかりと確認しているか、確認の手順は問題ないかをチェックしましょう。

ちゃんとできていれば後が楽

ちゃんと「やらなきゃいけない事(=作業標準、作業手順)」が出来ていれば、後が楽です。

それで問題が発生した時には、その標準や手順の内容が悪いのです。

例えば発生させてしまったのは「頻度」「方法」「器具」などが悪いからでしょう。

そうであれば、例えば理論的に防ぐ事の出来る頻度へ変更したり、方法を改善したり、器具を改善したり。

そして、それをまた標準化して守らせる。

その繰り返しでトラブルが減って行き、安定してくるのです。

 

何はともあれ、

「やらなきゃいけない事をちゃんとやる。」

あれこれ考える前に、先ずはこれを実施しましょう。

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