対策書作成の技術

スムーズなクレーム処理には技術が必要です!

対策は「永久に」実施されなければ再発を防げない!

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対策書を作成する際、客が信頼するのはポカヨケが完全にできている事。

逆に信頼しない内容は、再教育、指導などです。

折角クレームを受けたのだから、前向きに対応してその問題の再発を防ぐ為に何が重要か。

半年後、1年後、3年後・・・、永久に、人が変わってもその対策を継続する為にどの様な考え方をすればよいか。

私なりの案を出してみますので、参考にしてみてください。

ポカヨケの案

ポカヨケは、誰が何をしてもミスしない仕組みを作る事です。

例えば、タップ加工を行っている会社。

何故かタップ加工を飛ばしてしまう事があります。

私も作業した事がありますが、注意していてもなぜか、本当になぜか飛ばしてしまうのです。

一日に何千回も同じ作業を繰り返していたら、そりゃどれだけ注意していても1回はミスをするのは当たり前です。

単純な作業であればある程、ミスは発生し易いでしょう。

だから、センサーで作業を縛るのです。

センサーで作業を縛る例

タップのボタンを押す前は、加工後の箱に蓋をしておく。

タップボタンを押したら蓋が開くようにして、製品が通過センサーを通過したら蓋が閉まる。

蓋を取り付ける事ができないのであれば、タップ加工前に製品が通過センサーを通過したらブザーが鳴る様にしても良いと思います。

ちなみに、そのセンサーを乾電池で動くようにしたら、乾電池が無くなったら交換が面倒くさくて使わなくなるかもしれません。

コンセントから電源をとる様にします。

後で説明しますけど、「対策では人を信用しない」の一例です。

計数を図る場合

タップ加工時に数量を照合する為に、タップ加工前の正確な数量を知りたい。

なので対策として、

「タップ加工前に数量を測定します。」

と実施を決めたとします。

 
しかし、恐らく1週間、長くても1ヶ月持たないでしょう。

製造している人は、面倒くさい一手間が増えただけ。

忙しいから、急ぎだから、人が変わったから、すっかり忘れてたから。

色々な事を言って、しまいにはやらなくなります。

これを間違いなく定着させるには、加工後に計数機を設置して、加工後の製品が直接計数機に入る様にする事です。

1ロット加工が終わって、それから計数となると手間掛かってしまいます。

 
お金が無くて計数機購入できないのであれば仕方ありません。

1ロット終了後に計数する事になりますが、人が変わっても忘れずに行うにはどうするか。

製品に管理表が添付されているのであれば、その管理表に計数を工程として追加する事です。

少し弱い対策ですが、注意喚起よりはマシです。

「前工程の加工済み印が無い場合、自工程を加工しない」

と言うルールを守る事が最低限の条件ですが。

それすらできない会社だから不良が発生してしまう事んですよね・・・。

考え方

ポカヨケの根本的な考え方は一つです。

人を信用しない。

残念ですが、これに尽きます。

 
・毎日何千回と同じ作業を繰り返して、注意だけで防げるわけがない。
・忙しいって言い訳して、面倒な事はやらなくなる。
・作業者が変わったら、聞いてないって言い始める。
・作業指示書なんて誰も目を通さない。
・人は絶対忘れる。(例えウッカリでも。)
・見ている時はやるけど、見なければならない。
・チェックシートも、ただチェック入れてるだけで確認していない。
・クレームで騒いでいる今は注意するけど、喉元過ぎれば皆その問題に興味なくなる。

これは全部事実であり、現実です。

あなたの会社も、間違いなく該当します。

なので、これらの内容を自問自答しながら、上の様な事が起こっても問題発生しない仕組みを知恵を振り絞って、何度も何度も現場に足を運び、苦しみながら生み出しましょう。

そして生み出された対策が会社の資産となり、その思考方法はあなた自身の資産となるのです。

 
もう一度言います。

本当にちゃんとやっている人には申し訳ないですが、そうでない人もいますので、本当に再発を防止したいなら「人を信用しない」事です。

 
・ちゃんとやっててやり忘れる人(ポカミスする人)
・そもそもちゃんとやろうとしない人。

どちらもミスをしてしまえば同じ不良発生であり、客先へ流出すればクレームです。

あなたの負担を減らす為にも、ポカヨケで永久に防止できる様な対策を実施しましょう。


 

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