対策書作成の技術

スムーズなクレーム処理には技術が必要です!

対策書の書き方(返却現品確認結果)

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⑥ 返却現品確認結果

返却品を確認した結果、どの様な現象であるかの説明をします。

その後、規格とすり合わせて良品判定か、不良品判定かを記載します。

判定に使用した規格の書かれている図面や納入仕様書、業界の品質標準などの該当箇所を抜粋し、説明文に貼り付けると相手も理解しやすいと思います。
(不良現品は写真を掲示し、判定規格はどの資料を抜粋したかを記載しましょう。)

規格に照らし合わせた結果、良品判定であれば、「***の規格より、△△△となる事から、良品と判定します。」と記載します。

良品であればそもそもクレームに該当しませんので、対策書内容記載する必要は無く、上の一文で返却します。

ただし、客先へは「この様な確認結果良品と判断しましたので、その旨記載して対策書返却すれば宜しいでしょうか?」と確認した方が角は立たないかと思います。

客先もわかっていない場合が多く、規格内品でも不良と言ってくる事は多々あります

ここで、極力良品と主張できれば、対策書を作成する必要が無くなりますので、腕の見せどころでもあります。

■ 頑固な客先もいる

客によっては、いくら良品である事を説明しても、不良と言い張るかもしれません。

特に数値化できない現象(光沢、汚れ、色合いなど)に関しては、なかなか難しい所があります。

振り上げた拳の下ろし所が無いのでしょうか。

そこそこ相手も立てながら話を丸く収めるようにしましょう。

■ 客の説得方法

機能的に問題ない事を証明する検証結果は予め不良項目毎に準備しておき、社内でも判定基準としての限度見本をしっかりと準備します。
(私はこの検証結果を良くねつ造しました(^-^;)

「検証結果、性能的に問題ありませんし経年変化もありません。且つ業界規格がこのような規格であり、当社の社内規格もこの限度見本に基づき良品と判断しております。」

と規格とその根拠が明確である事を説明し、自社の正当性を理解してもらいます。

相手の担当者もサラリーマンである事をお忘れなく。

相手の上司や他部署への説得材料を提供してあげましょう。

 
それでも納得してもらえな場合には、客先の判定基準を要求します。

「どの様な規格に基づき不良と判断したのでしょうか?」

基本的に客先で外観的な限度見本は無いと思いますので、反論する事が出来なくなると思います。

ただ、客はそのまた客(エンドユーザー)からのクレームを恐れている場合があり、過剰品質になっている場合もあります。

その時は、客に資料を渡してエンドユーザーと交渉してもらうしかありません。

■ 実際の記述は?

良品と納得したところで、「発行した以上は何か書いて送り返してくれ」と言われるかもしれません。

その様な場合には、簡単に発生原因くらいは書いてあげても良いかもしれません。

ある程度影響の無い所で相手の言い分も聞いておかなければ、「次は覚えてろよ!」と思われても困りますし。

流出は「良品判断しました」で済ませる事ができます。

 
もちろん、不良判定の場合は、同じように「***の規格から、□□□となる為、不良と判断します。」と記載しましょう。

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2019/02/06