これだけは避けよう
これだけは避けよう!
これだけは避けた方が良いという事をまとめました。
1)曖昧な言葉を使う
厳しくない客に対しては、「推定要因」とか、「・・・と推測します。」などの使用も問題無いと思います。
しかし、少しでも厳しい客に対しては、表現に気を付けましょう。
特に自信の無い項目に関しては、作成する側としては心理的に言い切った表現は使いたく無いものです。
しかし、そこは覚悟を決めて言い切りましょう。
・「~と思われます。」 ⇒ 「~です。」
・「~していると考えられます。」 ⇒ 「~しています。」
・「~が原因と判断します。」 ⇒ 「~が原因です。」
その他、作成中に言い切った表現になってないな、と感じたら表現を変えましょう。
断定する事で報告書がすっきりとし、余計な疑いの目を向けられなくても済むようになります。
2)消去法でまとめる
何個か原因を提示し、消去法で原因を特定してゆくまとめ方もあります。
これは客にとっては、調査して原因を特定したと言うより、既知の内容から抽出したようにしか映らず、「本当に調査をしたのか?」という疑念がわいてきます。
「他に原因がある可能性は無いのか?」
この様な疑いを持たれますので、調査による原因の特定でまとめるようにしましょう。
ちなみに報告する原因は一本に絞りますので、他の発生原因は万が一同じクレームが再発した時に使用できるように、とっておきましょう。
3)使わない方が良い言い訳
「忙しかった為」や、「新人が作業した為」などは、使用しない方が無難かと思います。
「忙しいからって、発生/流出させて良いわけない。」「忙しかったら取り決め守らなくていいのか!?」とか、「新人教育はどうなっているのか!?」とか、面倒なツッコミが入るのは目に見えています。
4)自社の都合を主張する事
自社だけで通用する理屈(屁理屈)を客へ主張し続ける事は、避けた方が良いと思います。
「うちの会社ではそれが一般的なやり方です!」
余りくどいと客の怒りも買いかねず、客が怒ればあれこれツッコミが増える一方です。
客としては考え方や認識そのものを改めて、その上で改善してほしいと考えているのですから、それに気づくべきです。
全て言い成りになれと言う訳ではありませんが、客が欲しい回答を与え、早急にクローズする事を考える事も大切です。
5)回答の方向性が明確になっていない
客の指摘によって、回答をころころ変える人もいます。
(特に書面でコロコロ変えるのは、すべての回答に疑念を抱かせるので注意)
指摘によって回答を変えるくらいなら、指摘される内容を事前に想定しておき、指摘されても変更しなくていい回答にしておくべきです。
これは、対策書作成時及び作成後の想定突っ込みとその回答、及び口頭説明、報告書、データ、分析結果の矛盾点の洗い出しが不足している状態と考えられます。
(部分的であれば、矛盾点の解消の為にデータ類のねつ造はやむを得ないと考えています。)
(隠し切れない致命的なデータであれば、ねつ造・改ざんせず取引停止と補償請求を覚悟で生データを出すのも有りかもしれません。(上司の許可必要ですが。))
中間報告は、中間と言えど方向性は最終回答と同じでなければなりません。
「中間報告ではこう言ったのに、なんで最終報告で変わってんの?」
と言われるとまた説明が面倒です。
最初中間報告して、追加実験して最終報告で内容が変わり、客の疑問に答えているうちにまた内容が変わり、結局何が言いたいのか、何が原因なのか、わからなくなっている人を見かけます。
その後最後にどれだけ強く原因を主張しても、誰も信じてくれません。
6)妥協しない
対策書の作成をしている時、客からのツッコミを想定して作成します。
その時、想定するツッコミに対して説明ができなくなってくると、「まーたぶんこの箇所はツッコミ入らないだろ。」と勝手に決めつけてしまう事があります。
この様な思考は、考え抜いて疲れてきてアイデアが浮かばないと成りがちです。
しかし、そういう個所は大抵ツッコミが入ります。
厳しい客ならなおさらです。
そこが「蟻の一穴」となり、理屈で攻められて後戻りできない状況になる事があります。
説明し切れない個所は、どんなに疲れていても「たぶんツッコミ入らないだろ。」と楽観視せず、何とか考え抜いて説明できるようにするか、手間ではありますが元々の回答の方向性を変えて、作成し直すようにしましょう。
厳しくない客はこの限りではありません。
7)裏付けが無いのに決めつけない
例えば異物による不良の場合、「発生原因は○○○から発生した異物です。」と書く事があります。
しかし、裏付けが無いと「なぜ○○○から発生した異物とわかったの?」と突っ込まれます。
なぜ○○○から発生した異物と判断したのか?
異物の形状か?異物の種類か?異物の付着個所なのか?
裏付けの無い原因の説明は、何の意味も説得力も持ちません。
説得力を持たせる為にも、原因を特定した裏付けの説明は必ず付け加えるようにしましょう。
8)自社の不利になる内容・不安に思わせる内容の記述
原因の説明を必要以上に広げず、一点を深く掘り下げるような説明にします。
「作業者が変わっていた」など説明する必要のない事は説明しない事です。
教育記録見せろだとか、余計な事を言われます。
また、必要以上に対象数が大きくなると誤解される説明や、基本的な品質管理ができていないんじゃないか?と思わせる内容も避けた方が良いでしょう。
2017/02/01