対策書作成の技術

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対策書の書き方(流出原因と調査結果)

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⑧ 流出原因と調査結果

これも、ひとまとめにしても構わない項目と考えます。

目視検査を行っている会社では、この流出原因(及び対策)を考える事は容易な事ではありません。

しかし、目視検査での流出原因は以下の内容しかありませんので、以下の内容から流出に関係していると思われる内容を選んで記述してください。

・不良のサイズが小さく検査器具の倍率が適切でなかった。
・不良の色が検査器具の下地と似ており判断し辛かった。
・製品検査の角度により光の反射で検出し辛かった。
・明るさが不足していた事から検出できなかった。
・検査指示書に検査項目として(検査ポイントとして)記載が無く、不良の認識が無かった事から検出漏れした。
・付近にある他の重要な項目に意識が集中し、該当不良を見逃した。
・検査ポイントで視線を止めず、視線を流して検査を行う方法だった為検出漏れしてしまった。
・外観では確認できない項目であった。
・(×××と理解した事から)良品と判定してしまった。
・検査スピードが早過ぎて適切でなく、飛ばしてしまった。
・検査後に不良品と混入してしまった。
・抜き取り検査であった為、検査漏れしてしまった。
・限度見本が準備されておらず、判定基準が明確でなかった。
・不良が多発した為、検査員へ注意する様指示したが、指示が具体的でなかった為、検査員が十分理解できなかった。

■ 治具や検査機、測定器などで検査を行っている場合

出荷前の検査は、目視検査以外に治具や検査機、測定機などで検査を行っている場合もあります。

その場合は、機器や治工具の異常(対象範囲が広がるので注意)か、それを扱う人のミスのどちらかにするかを決めます。

設備、治工具の異状とする場合、使用前の点検をする事になっていたのか?、なっていたのなら何故できていないのか?
使用前の点検項目は、日常点検(始業前点検)の指示書に盛り込まれているのか。

プログラムや設定のミスとすると、製品立ち上げ時から流出の可能性があった事になりますから、それを説明し切る事が出来ないのであれば避けましょう。

設備を使用する人の問題とする場合、設備は間違いない事が前提とし、それを扱う人に不確定要素がある事を説明します。

人の不確定要素は作業指示書で間違いなく作業できるように指示されているはずですが、先ずは指示書内にその記述があったかどうかを確認します。

記述がある場合、何故守られていないのかを掘り下げて説明します。

例えば、
・記述があいまいな表現で、理解し辛かった。
・作業指示書が文書による記述のみであり、重要なポイントが把握し辛かった。
・日々の作業の為、作業内容を理解していると思い込んでいた。
・作業が複雑な為、間違いを起こしてしまった。
・設備上の表示が明確でない為、作業間違いを起こした。
・設備音などの影響で作業環境が悪く、注意力が散漫になっていた。
・作業の疲れから、集中力が低下していた。
などが挙げられます。

■ 流出原因記述時の注意点

楽な客以外は、単純な「注意力不足で・・・」と言う表現は使わない様にしましょう。

抽象的過ぎて、掘り下げて調べていないと思われます。

注意力不足と説明する場合には、何故注意力不足に陥ったのかを明確にしましょう。

 
また、「思い込み」、「認識違い」、などは品質管理を行う上でミスの発生し易いポイントです。

という事は、他社でも発生しうる内容であり、ここからミスが発生しても(恐らく)自社だけが劣っている事にはなりません。

それを逆手にとり、「作業者が思い込み、・・・」や「認識が間違っており・・・」と言う表現を使うのも手かと思います。

何故そう思い込んでしまったのかの説明を求められる可能性もありますが、「毎日の作業で慣れてしまい思い込んだ。」とか、「指示書の記述に誤解を生む表現があった為、認識が間違っていた。」などと説明するようにしましょう。

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2019/02/06